すごく歩く

いつからか二度寝というものができなくなってしまった。できないわけじゃない、する意味がわからなくなってしまったんだ。

この世の中には楽しいことが溢れてて、なるべくたくさんのことを知ったり見たりしたいのに、私たちには時間が足りなすぎるんだ。


まえ3ヶ月くらい仕事しないでふらふらしていた時があったんだけど、毎日5時には起きて朝焼けを見がてら1時間ジョギングしていたら一緒に住んでいた姉からは変人を見るような目で見られていた。姉は朝が弱いんだ。



私の考える最高の週末の過ごし方は、金曜から始まる。金曜の仕事帰りにいつもより少しいいお酒を買ってだらだら料理をしたりお菓子をつまんだらしながらゆっくりして、夜更かしをしたい心をぐっと押し殺し11時には寝る。

そして土曜の朝目覚ましなしで起きる。だいたい4時とか。どうなってんだ私の体内時計は。豪雨じゃなければ寝巻きにランシューをはいて走る。初めは仕事のためにやってたけどもう癖になってしまった。シャワーを浴びてクローゼットのオフィスカジュアルじゃないコーナーからその日の予定と相談しつつ服を選び、出かける。マスクするようになってからむしろ化粧のモチベーションは上がったかもしれない。きらいなパーツを隠せるし。自分の目は昔は大っ嫌いだったけど長い付き合いで和解してきた。


わたしの最寄りは始発がおそくて、駅についたらまだ走ってないこともある。そうしたら線路沿いにどんどん歩く。1駅歩くともう楽しくなってきてしまって1日ほぼ自分の足が交通手段になる。


行くところはその日の気分で選ぶけど、降りたことのない駅で降りて知らないエリアを潰していくのにすごく快感を覚える。自分の世界が少しずつ広がって、その分真ん中にいる自分が薄まって馴染んでいくみたいな。基本的にわたしは自分がきらいなんだ。


気がすむまで歩いて、暗くなってきたらその日に飲むお酒を2本くらいとおつまみの材料を買って帰り、次の日が休みなら12時まで、仕事なら11時にはベットに入る。


そんな週末。